歌舞伎 感想6

※過去観劇したもののツイッターログです。


2014年9月20日 九月大歌舞伎秀山祭(歌舞伎座)


9月20日(土)に、歌舞伎座で行われている秀山祭九月大歌舞伎に行ってきました!
『秀山』とは明治末期〜昭和の名優・初代 中村吉右衛門の俳名で、『秀山祭』はその初代吉右衛門の芸や型、功績を伝える公演。
新しい歌舞伎座では初めての秀山祭。 http://twitter.com/waka_rokusuke/status/515183255973158912/photo/1

歌舞伎座は、あの勧進帳を観た三月以来の半年ぶり。
久しぶりな事もあり、東銀座に着いた時はテンションかなり高かった気がします(笑)
地下の木挽町広場は秋の装い。
ヒルナンデスで紹介されてたものに、自然と目がいきました(^.^) http://twitter.com/waka_rokusuke/status/515184809518190592/photo/1

一つだけ失敗したのが、デジカメ持ってくるの忘れてしまって…せっかくの秀山祭なのにショックでした(T-T)

それでも楽しむべきは、何よりもお芝居なので、気を取り直して会場待ち。
5分程早く、10:25くらいに開けてくれた気がします。 http://twitter.com/waka_rokusuke/status/515186906573701120/photo/1

開場後はいつものように舞台写真の元へ。
開場早かった所為?もあり、最初は三階空き空きでゆっくりじっくり写真見れてよかったです(*^^*)
一応上限を20枚(1万円)以内にしましたが、欲張らなかったので収まりました。昼10枚+夜4枚。
(夜、後から米吉くんと仁左吉2ショットを購入)

舞台写真、夜は幕間で買いに行きましたが、流石に人がすごかった。鉛筆足りてなかったし(笑)
1から〜…まで、って吉右衛門さんの全部買ってる方いた!
私は夜は米吉くん買ったので、売り子の叔父さんに「米吉さんは可愛いですよね」って話しかけられたから、ですよね♡って全力でお返事しましたv

昼は初めての3等B席。2列後ろが一幕見席という席でしたが、ちゃんと見えます。東(上手)なので花道はスッポンも見える。
一幕見席もいつか見てみようと思ってますが、3等Bと変わらない位置で安く見れるとかお得すぎる…皆さん歌舞伎座行くべき! http://twitter.com/waka_rokusuke/status/515191536166776832/photo/1

長くなるから、お芝居の感想はざっくりと。
昼の部の一幕目は『鬼一法眼三略巻』から、通称『菊畑』。
松緑さんの智恵内よかったなぁ。ご自身もやりたかった役のようで、まさにハマり役。菊畑では、贔屓目無しに見たら松緑さんの智恵内が一番よかったかも。「ね〜い」が癖になる(笑)

初役という事ですが、歌六さんの鬼一法眼もよかった。やはり大きな役者さんです。舞台がぐっとよくなる。鬼一の娘役、米吉くん演じる皆鶴姫とのリアル父子共演も見物でしたv
米吉くんの皆鶴姫は、もう可愛いの一言に尽きます。可愛い。可愛すぎる。どっからどうみても可愛い…かわいい…かわゆらし♡

染五郎の虎蔵も、見目麗しく皆鶴姫が惚れるのもわかるわ〜という色男。こうして見ると、改めて染五郎のイケメンっぷりを再認識せざるを得ないです。これぞ役者!という顔立ちですよね…虎蔵こと牛若丸よかったです!
歌昇くんの湛海は、ちょっと若さが勝ってるかな…でも相変わらずいい声でした^^

お話自体は、鬼一と智恵内実は鬼三太が兄弟だとか、虎蔵実は牛若丸とか、いかにもな要素盛り沢山。源平の時代ですね。お芝居とはいえ、時代背景や設定をあれこれ考えるのも楽しいです。
舞台も『菊畑』という名の通り、菊が咲き誇る華やかな一幕。季節感もあり、明るく美しく、素敵な一幕でした。

昼の部続いては、待ってましたの法界坊!
『隅田川続俤(ごにちのおもかげ)』、通称『法界坊』。
体力と年齢的に演じるのはこれがおそらく最後…という吉右衛門さんの法界坊。吉右衛門さんはやっぱり時代物のが合ってるとは思いますが、法界坊や去年観た弥作の鎌腹のような役も演じれる事がすごい。

梶原平三景時、大星由良之助、弁慶、濡髪などなど、いずれも器の大きな役柄が吉右衛門さんは本当に似合うのですけど、ちゃんと法界坊になってらっしゃる。当代もすごいですが、同じように様々な役を演じ分け、いずれも当たり役の初代中村吉右衛門のすごさが本当にありありと伝わります。まさに秀山祭。

法界坊は終始、楽しかったな〜。吉右衛門さんが好きだからかもですが、滑稽というよりも私は「法界坊かわいい!」って感じでした(笑)
盗みも殺しもやるよ、っていう役は結構苦手なんですが、法界坊はなんだか憎めないですね。人気演目の理由がわかったような気がしました。法界坊面白い(^o^)!

さらに今回の法界坊は、甚三役の仁左衛門さんが豪華ですね。仁左吉のやりとりはスペシャル感満載でよかったです。舞台上でも仁左衛門さんの復帰をお祝いしたり、同い年だからとあれこれ吉右衛門さん(法界坊)が喋ってくれて嬉しい一幕に。
嗚呼、それにしても仁左衛門さんは相変わらずイケメンすぎ…

芝雀さんはよく播磨屋の舞台にご一緒して下さるので、安定のおくみ役。それから錦之助さんが演じた手代の要助。最初、隼人かと思いましたよ要助。やはり親子は似てる…というか錦之助さんが若い!本当に端整な顔立ちです。まだまだ息子に負けてないです!錦之助さん素敵でした(*´ω`*)

今回の法界坊は、大喜利の『双面水照月』まで。私はもう吉右衛門さんの女形拝めないかも…と諦めかけていたのですが、今回姿だけでも拝めて嬉しかったです。ヒルナンデスで吉右衛門さんが女形の拵えしてる所も見たけど、本当に秀山祭ありがとうございます(; ;)♡と御礼言いたい。嬉しい…。

渡し守のおしづ役、又五郎さんの女形も拝見するのは初めてでした。立ち役の人が女形やる時って、発声どうやってるんだろう…と感心。
法界坊&野分姫の霊は吉右衛門さん大きいから、存在感もあって不気味。野分姫の声は児太郎くんが出してるけど、垣間見える法界坊の霊の時のあの低い声はより不気味。

赤い舌も不気味。場面が明るいので怖くはないけど、喜劇だった法界坊が話が展開して、この世にならざる者が出てくるのはなんとも不思議で、また考えられたお芝居だなと思いました。浄瑠璃(双面水照月) 前の場が、幽霊が出てひゅ〜どろどろっていう場面になるのも喜劇からの変化がすごい。面白い話だ



秀山祭感想つづき。

昼の部が終わって、それから30分程で夜の部の開場。
今度は3等A席です。
さっきよりも近くなったので、より見やすくて始まる前からワクワクo(^o^)o http://twitter.com/waka_rokusuke/status/515566605586034688/photo/1

夜の部、まず初めは『絵本太閤記』から原作の十段目にあたる「尼ヶ崎閑居」の場。絵本太閤記の十段目なので、通称『太十』と呼ばれる演目です。
こちらは法界坊とはガラリと変わって、重厚な時代物。
私はやはり時代物が好きな人間なので、秀山祭の一番の楽しみはこの一幕でした(*^^*)

『太十』は、織田信長に謀反をした明智光秀が主人公。
登場人物は、武智光秀(明智光秀)・真柴久吉(羽柴秀吉)・佐藤正清(加藤清正)…など名前は憚って変えてありますが、衣装にそれぞれの家紋が入っていたりと、時代物はこういう見た目の楽しさも、歴史好きには嬉しいお芝居です。

物語は、武智光秀が小田春永(織田信長)を討った後で真柴久吉との戦を控えた場面。光秀の母や妻、息子・十次郎とその許嫁・初菊が登場します。
父を助けようと死ぬ覚悟で戦に望む十次郎は、よい若武者。戦を前にした肉親の情や、十次郎を思う初菊の心が、時代物ならではの悲しみを伝える。

久吉と間違えて己の母・皐月を竹槍で刺し殺してしまうのと同時に、戦に出た息子・十次郎をも亡くしてしまう、息子と親としての光秀の悲しみ。皐月は主君を討った悪人だと自分の息子である光秀を諌めますが、この『太十』の光秀は悪人や謀反人ではなく、多くの悲しみを背負った大きな人物に思えます。

光秀の役柄もそうなんでしょうが、やはりなんといっても演じ手が吉右衛門さんなのがグッとくる大きな要因。
さっきまで法界坊や、その霊を演ってた人と同じにはとても思えないくらいです(笑)
光秀は台詞はそんなにありませんが、やはり所作の一つ一つや、存在が大きいのが何ともいえず最高です。

本当にこういうお役が似合いますよね、吉右衛門さん。
吉右衛門さんのあの声が本当に大好きなので、光秀観てる時が秀山祭の中でやっぱり一番うっとりできました♡
息子であり父であり、しかしそれ以前に一人の武将である武智光秀がよかったです。
この、軽くない重く観れる芝居がたまりません。

『太十』、他の役の皆さんも素敵な顔ぶれでした!
歌六さんの久吉は、吉右衛門さんの光秀と張り合える立派さ。
光秀の息子・十次郎は染五郎で、綺麗な若武者。鎧姿が絵になります…舞台写真買うか迷ったくらい(笑)
又五郎さんの正清は、着物は加藤清正の家紋だらけ、手には十文字槍!カッコイイ!

母の皐月役の東蔵さんもよかったなぁ。皐月は、話の要ですからね。魁春さんの操も◎。
そして、米吉くんの初菊はもうたまらんです。米吉くんのしおらしいお姫様役は正義だと思ってるので、皆鶴姫よりも初菊たまらんかったです!最初の、十次郎の鎧兜を運ぶ所作も可愛らしかった…たまらん…たまらん。

それから、真柴郎党役の男子ズね。
こっちもたまらんかったね…郎党が輝いて見える!?と錯覚しそうになる(笑)
歌昇くんは、やっぱりまだ若いから昼の湛海よりもこういうお役が見た目には似合いますね〜。
この郎党姿の舞台写真、もちろん購入済みです当たり前( ˘ω˘ )

夜の部、お次は誰でも知ってるあの演目。
そう『連獅子』です!
初めての連獅子が、仁左衛門さんと孫の千之助くんとは歌舞伎初心者光栄の至り。
連獅子は、ただもう素晴らしかったです。
歌舞伎の舞踊の中でも、かなり完成された作品ではないでしょうか。
観ていてとても華やかでもあります。

仁左衛門さんはそんなに力強さは出せてなかったですけど、復帰後に出来る最高の連獅子を勤めて下さった印象。悪魔で速さや力ではなく、親獅子そのものの如くゆったりとした毛振りでした。
二人見事に揃った毛振りではなかったですけど、仁左衛門さんに若い千之助くんがついていく感じ。圧巻でした。

僧侶役の錦之助さんと又五郎さんもよかったです!
たくさん笑わせて貰いました\(^o^)/
獅子の拵えの間の繋ぎのお役ですが、こういう演出もしっかり物語として組み込んであるのがすごいですよね。
連獅子は、歌舞伎観たことない人にも本当にオススメ。一幕見席でいいから観て欲しい演目です!

夜の部最後は、『曽我綉侠御所染』より『御所五郎蔵』です。
河竹黙阿弥作のこの演目は、もう黙阿弥っぷり全開!
日本人なら聞いているだけで耳が心地好い、七五調の台詞がたまりませんね^^
舞台も、最初の場は桜の花が満開で目にも嬉しい。これぞ歌舞伎!という様式美満載の一幕です。

昼の菊畑では主従の間柄でしたが、御所五郎蔵では染五郎と松緑さんが好敵手…というか所謂恋敵で対峙。今回の役が特別合っていたのかもしれませんが、染五郎・松緑の組み合わせは、なかなか良い二人だと思います。

五郎蔵の妻・傾城皐月役は芝雀さん。
見た目の美しさだけでなく、内面の強さも見所。
同じく傾城逢州役には高麗蔵さん。
歌舞伎の傾城は、本当に懐の深い女性ばかりですよね。人間として立派。素敵です。
そういう細やかな情と、傾城の艶やかな衣装が素敵ですよね。うっとりします(*´ω`*)

いかにも歌舞伎にありがちな…という展開の御所五郎蔵、誤解により妻・皐月を殺そうとして間違って逢州を殺めてしまう五郎蔵と土右衛門の立ち回りで幕切れです。
昔から続く歌舞伎ならではの良さが凝縮された一幕が、秀山祭の最後というのもなかなか良かったのでは。

この日は1日ずーっと歌舞伎座にいましたが、秀山祭楽しかったです。
初代 中村吉右衛門の芸を受け継ぎ、後世に伝えていく当代 吉右衛門とその一門の活躍、さらには歌舞伎そのものの維持と発展にこれからも期待しています。

寝落ちが多く、日付跨いでしまいましたが、簡易感想はこれにて終了。


ちなみにまだ買ってなかったから、秀山祭来たんだし!と播磨屋グッズ買いました〜幸せ♡
吉右衛門さんというか、又五郎さん歌昇くんのなんだけどね…。
再来年は、記念に二代目 中村吉右衛門グッズ何か作って欲しいです。買うよ!買うに決まってる! http://twitter.com/waka_rokusuke/status/515656231197757440/photo/1
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